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「空き家問題について」

2016/11/28 カテゴリー: その他

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下記記事のPDFファイル
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 博士!ぼくね、散歩をしていると誰も住んでいないおうちをよく見るんだ。こういうおうちってずっとそのままなの?

 

 空き家のことだね。確かに社会問題になるぐらい全国的に増えていて、平成25年時点で約820万戸もあるんだよ。これからも増え続けると予想されることから前もって対策することが大事だね。

 

 でも博士、対策ってどうしたらいいの?

 

 全ての空き家が問題なわけではなく、約820万戸のうち、約6割は借家や売却予定の住宅、 別荘なんだよ。問題は使い道の決まっていない、残り4割弱の建物なんだ。所有者が遠方に住んでいて管理ができなかったり、相続してからそのままになっている木造の戸建住宅などがあるんだよ。

 

 たくさんあるんだね。

 

 空き家の内の約210万戸は旧耐震基準や修繕しないと住むことが難しい空き家なんだよ。

 

 それじゃあ博士、その空き家をそのままにしておくとどうなるの?

 

 老朽化したまま放置された、特に古い木造の空き家などは倒壊の危険があるんだ。また、ゴミが不法投棄されたり、庭の雑草が伸びて虫が発生するなど、衛生面や防犯面、町の景観などに悪影響を及ぼすことが考えられるね。

 

 それは大変!ご近所に迷惑をかけたくないね。

 

 そうだね。これからも空き家が増えることを考慮して、平成27年に空き家対策特別措置法が施行されたんだよ。倒壊の恐れがある等適切に管理されていない空き家を市町村が「特定空き家」と指定し、所有者に修繕や解体を指導したり勧告、命令することができるんだ。命令に従わない場合は、行政が代わりに強制撤去することになるんだよ。
 この法律に基づいて、2015年10月に神奈川県横須賀市が所有者不明で倒壊の恐れのある空き家を全国で初めて、行政代執行により撤去したんだ。

 

 えー!本当にあったの!?

 

 税金の面でも厳しくなるよ。特定空き家に指定されると固定資産税の軽減措置が無くなるんだ。
 でも、平成28年4月1日から平成31年12月31日までの間に一定の条件を満たした空き家を相続人が譲渡する場合に3,000万円の特別控除を適用することができる制度「空き家に係る譲渡所得の特別控除の特例」ができたんだよ。

 

 空き家のままにしておくといろんな問題があるんだね。

 

 ここで、空き家対策特別措置法の目的を確認しておこう。
 ・地域住民の生命、身体又は財産を保護する
 ・地域住民の生活環境の保全を図る
 ・空き家等の活用を促進する
 ・空き家等に関する施策を総合的かつ計画的に推進する
 ・公共の福祉の増進と地域の振興に寄与する
 これらの目的を総合的かつ計画的に実施するために、国が基本方針を策定したんだよ。

 

 なるほど。ところで、特定空き家ってどうやって判断されるの?

 

 国土交通省のガイドラインでは、
・そのまま放置すれば倒壊等著しく保安上危険となるおそれのある状態
・そのまま放置すれば著しく衛生上有害となるおそれのある状態
・適切な管理が行われていないことにより著しく景観を損なっている状態
・その他周辺の生活環境の保全を図るために放置する事が不適切である状態が特定空き家等の判断の参考となる基準としているよ。

 

 なるほど。でも、空き家ってどう活用したらいいの?

 

 インスペクション(建物診断)等も活用して修繕すれば使用できるのか?もしくは何らかの他の使い道はあるのか?それとも解体した方が良いのか?などのアドバイス等を宅建業者から前もってもらえると計画が立てやすいね。
 例えば、築古物件を古民家レストランやカフェ、ギャラリー、宿泊施設などに転用する事例がすでに全国各地でも出てきているし、規制をクリアできれば、そうした有効活用も可能なんだよ。

 

 なるほど!思っていたより空き家の活用方法ってありそうだね。

 

 もしわからないことや不安に思うようなことがあれば、前もって大阪宅建協会をはじめとする不動産関連団体が窓口となる相談所などで、相談をしてみると良いよ。

 

 

 ライター 西本 淳一(北摂支部会員)