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「住宅ローン申請時の注意点」

2014/11/27 カテゴリー: 売買

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下記記事のPDFファイル
(容量:274KB PDF形式)いったんPCへ保存したのち開いて下さい。

 

 

 こんにちは。今回は、住宅ローンが通らなくて契約をキャンセルしようとしたら、手付け金は返せないと言われてトラブルになっているAさんからの相談です。

 

 家を買う契約をする時、もしローンが通らなかった時のために「融資特約」をつけて契約するのが一般的です。
 でも、融資特約をつけて契約してもトラブルになるケースが多いので、注意が必要です。

 

 「融資特約」をつけてもトラブルになるってどういうことですか?

 

 大阪宅建協会の契約書のひな型を見ると「融資利用」の項目には
1.融資申し込み先
2.融資承認予定日
3.融資金額
4.融資未承認の場合の契約解除期限
を記載するようになっています。
 ところが、Aさんが締結した売買契約書を見ると、「融資申込先」は「○○銀行、他」となっており、「融資金額」のところは何も記載されていません。
 仲介業者に聞くと、「○○銀行で融資が通らなかったので、ノンバンクのB社に融資を持ち込んでいて通りそうなので融資特約に基づく解約は出来ない」という説明でした。

 

 契約締結前にきちんと説明しなくても、宅建業者は問題ないのですか?

 

 問題あります。契約締結前に交付される重要事項説明書には融資申込先の金融機関名・金額・金利・借入期間・特約期日等を記入する欄があります。
 金融機関名はもちろんのこと、金利も説明時点の明確な金利を記載しなければ、重要事項の説明不備で行政指導の対象になることもあります。
 消費者側も重要事項説明の際に、これらをきちんと説明されているのかを確認し、不明点があればきちんと説明を求める事が必要でしょう。

 

 融資特約の期日が来て融資が通らなかったら、自動的に白紙解約になるんですよね?

 

 現在使われている大阪宅建協会や全宅連の契約書には、「融資の全部又は一部について承認を得られないとき、又、金融機関の審査中に標記の融資未承認の場合の契約解除期限が経過した場合には、本売買契約は自動的に解除となる。」と記載されています。
 こういう契約を「解除条件型」といいます。
 こういう契約の場合は、期日までに融資が通らなかったら契約は自動的に白紙解約となります。
 ところが、昔の書式をそのまま使っていたり、独自のひな型を使っている場合は、注意が必要です。
 例えば、「融資機関の審査等により買主に対する融資が否認された場合は、この契約締結後1ヶ月以内に限り、買主はこの契約を解除する事が出来るものとします。」などとなっている場合、こちらから申し入れないと融資特約による契約解除は出来ません。
 こういう契約を「解除権留保型」といいまして、「解除条件型」のものと大きく違います。
 仲介業者はなんとかローンを通そうと、あちこちの金融機関に融資を申し込むケースが多いので、期日が来ても「もう少ししたら通りそうなので待ってください」と口約束だけで延長してトラブルになることも多いのです。

 

 でも、家がどうしても欲しいともう少し待とうかという気になりますよね。

 

 その場合は、融資特約期日の延長の契約をきちんと文書で交わしてください。口約束だけでそのままにしておくと後で必ずトラブルになります。
 全宅連のひな型には、融資特約期日延長のための「売買契約変更合意書」というひな型もありますので、宅建業者から見てもそれほど手間が掛かることではありません。

 

 売買契約書や重要事項説明書の文章ってきちんと読んでいませんでした。

 

 融資特約の例でもわかるように、きちんと読んで分からないところは一つ一つ確認していく事が大切です。
 説明をきちんと理解せず、記名・捺印をしてしまうと後からおかしいと思っても変更できません。家を買うのは一生に一度の大きな買い物ですから、きっちり確認してもやり過ぎという事はないのです。

 

 住宅ローンの話に戻りますが、少し時間が掛かっても融資が通りさえすれば問題ないですよね?

 

 とんでもないです。一口に住宅ローンといっても、金融機関によって条件はバラバラです。
 まず、金利。金融機関によって金利は全然違います。今回の相談者Aさんの場合、当初予定していた銀行と後から持ち込んだノンバクとでは、同じ金額を借りても月の返済額が2万円以上変わって来ます。

 

 返済が月2万円も変わってきたら考え直す人もいるでしょうね。金利以外にも違いはあるんですか?

 

 金利だけじゃありません。金融機関によって、購入金額全額を融資してくれるところ、諸経費やリフォーム費用も出してくれるところがある一方で、全額出してくれず相応の頭金が必要になってくるところもあります。
 預金者の目で見ると金融機関の差はあまり感じられませんが、借りる側の目で見ると全くバラバラです。
 そのため、自分にとってどの金融機関から借りるのが一番有利かを自分で調べるか、仲介業者にきちんと確認をしてください。

 

 金融機関によって全然違うんですね。同じ借りるなら金利が安く、条件が良いところで借りたいですが、そういう訳にはいかないのですか?

 

 住宅ローンの場合、金融機関ごとに借りる人の収入や資産、他からの借り入れ状況などによって条件や制限をつけています。
 一般的には収入が多く、安定している職業の人ほど良い条件で借りる事が出来ます。
 収入が少なかったり、転職してそれほど期間が経っていない、自動車ローンなど他で借金があるという場合、審査が通らなかったり金利の高い金融機関でしか借りられなかったりすることがあります。

 

 宅建業者から、住宅ローンが通りやすいように偽造した書類を作ってくれるところがあると聞きました。

 

 絶対にそういう話に乗ってはいけません!
 住宅ローンを通りやすくするために、契約書や銀行に出す書類を偽造するのは私文書偽造、立派な犯罪行為です。 発覚すると「期限の利益喪失」と言って、一括して弁済を求められたり、場合によっては刑事告訴されることもあります。
 ローンが通らないと商売にならないため、残念ながら宅建業者の中にはこのような犯罪行為に手を染める所もありますが、それが原因で家族がバラバラになるなど不幸な結果を招いた例もたくさんありますので、そういう提案には耳を貸さないように注意してください。
 最近は、住宅ローンだけでなく、収益物件の購入でもこのような犯罪行為に手を貸す宅建業者もあるようです。注意してください。

 

 そこまで悪いこととは知りませんでした。でも、住宅ローンが通らないのは辛いですから、何となく気持ちも分からなくもないのですが・・。

 

 銀行を騙してまで住宅ローンを組んで、その先に幸せはあるのでしょうか?
 金融機関は、今までの事故歴などを考慮して条件や制限を設定しています。
 収入に比べ過大なローンを組んで返済できなくなったらどうなるでしょうか?
 家は差し押さえられ、競売に掛けられます。本人の意思とは関係なく、勝手に他人に売り飛ばされ、家から追い出されます。
 そうなった時の家族やお子様の気持ちを考えてみてください。
 無理は絶対に禁物です。

 

 なんだか怖くなってきました。

 

 家は、家族が幸せに暮らす場所です。そのためには真面目にコツコツをやるのが結局は一番の近道なのです。
 また、契約をする前にきちんと返済計画を立て、本当にローンを払って行けるのかどうかをもう一度考えてください。
 住宅の購入はほとんどの人にとって一生に一度の大きな買い物です。慎重によく考え、不明な点があれば理解出来るまできっちりと説明を聞く事が大切です。
 もし不安があるなら大阪宅建協会をはじめとする不動産関連団体の相談窓口に事前にご相談ください。

 

 

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